「はい…」


「愛里、今、無視しようとしただろ?
いい度胸じゃん」


電話から聞こえる悠の低い声に緊張し――…


でも、久しぶりに聞く悠の声に、胸がキュンとする。


悠はあたしの返事を聞かず、低い声で先を続けた。


「話がある。
今から、桜川公園のクローバーの丘に来いよ」


「え、話?
…って、今から!?
それは無理だよ。
あたし、学校っ!!」


「じゃあ1時間後に」


あたしの訴えを聞くことなく、悠からの電話はブチっと切れた。