天使のキス。

しばらく続いた沈黙の後――…。


タクは、自分の頭を抱えたまま、言葉を、声を、絞り出した。


「俺の願いは、ずっとずっと、ひとつしかない。
俺の願いは――…
俺が願うことは――…
沙耶の幸せ、ただ、それだけだ」


「…タク」


知らなかった。


全然、気がつかなかった。


タクって…
沙耶のことが好きだったの?


だから、タクはあの時――…


さくら寺でうさぎさんにお願い事をしたんだ。


たった一つしか聞き届けられないという願いを、タクはしたんだ。