天使のキス。

「沙耶…
もういいよ。
もう、わかったから」


「だからね、愛里。
あたし産む」


「沙耶ぁ。
もう、わかったから」


沙耶は、あたしの腰を掴んですがりついてきた。


「あたし、この子をね。
あの子の分まで、精一杯愛するから。
だからね。
ちゃんと産んで、育てたいの」


「うん、うん。
沙耶の気持ちは、ちゃんとわかったよ」


「あたしね。
単に、気まぐれで言ってるわけじゃない。
愛里、わかって」


「わかったから。
沙耶、もう、わかったから」


あたしが沙耶の髪を撫でると、沙耶はぐすぐすっと鼻水をすすりあげた。