天使のキス。

「病院…って。
健は、沙耶の病名を知ってるのか?」


タクシーの中、後部座席から助手席の健ちゃんに、疑いの眼差しを向けるタク。


「ん、まぁ…
知ってるわけじゃないけど――…
最近の沙耶ちゃんを見ていれば、ある程度の察しはつくかな」


「は?
どういうことだよ?」


沙耶を抱き寄せるように座るタクの肩が、ぴくっと動く。


「それは、俺が鈍いって意味か?」


「いや、違うって。
タク、ケンカ腰になるなよ」


「じゃあ、なんだよ」


珍しく声を荒立てるタクに、健ちゃんは肩をすくめた。


「そんなにテンぱるな」