天使のキス。

…っていうか…


こんなとこ見られたら、また誤解される。


どうしよう。


悠、あたしと健ちゃんは、なんでもないの。


健ちゃんは、あたしの介抱をしてくれてただけなの。


悠に誤解されたくなくて、すぐにでも言い訳をしたくて、あたしは急いでベッドの上に起き上がった。


急いで起き上がったためと、熱のため、揺れる視界の中、あたしは見つけた。


壁にもたれて腕を組み、気だるげにあたしを見つめる悠を。


「おまえ、さ。
いつもこいつにばっかり頼って、オレに頼る気は全然ないわけ?
オレ、おまえの彼氏だよな?
それとも、オレ。
そんなにも、存在価値ない?」


揺れる瞳でそう言った悠は、触れば壊れてしまいそうなほど脆くて。


そして、儚げだった。