天使のキス。

「まだツライ?」


うっすらと目を開けたあたしに、髪をなでながら健ちゃんが聞く。


「ん…
薬が効いてきたみたい」


「そっか。
良かった。
じゃあ、そろそろ、俺、帰るわ。
悠が帰ってきて、ヤキモチ焼くといけないからね?」


健ちゃんは舌を出して、肩をすくめ、いたずらっ子みたいに笑ってから、部屋のドアを開けた。


その瞬間――…


「…っ、悠…」


健ちゃんの驚いた声が聞こえた。


え!?
悠!?


もう帰ってきたの?


今日は、なんでこんなに帰りが早いの?


いつもは、もっと遅いじゃん。