天使のキス。

「ねぇ、沙耶。
早く五十嵐くんにも相談しようよ。
明日日曜なんだし。
電話してみたら?
もし会うなら、あたしもついて行くよ?」


「うん。
ありがと、愛里。
そうだよね。
早いうちに決めなきゃね。
産むのかおろすのか」


沙耶は下がったままのトーンで、でも、はっきりと言った。


沙耶は、いったいどうするんだろう。


あたしは――…
できる事なら沙耶に産んで欲しい。


せっかく授かった命なのだから。


でも、あたし達はまだ高校1年生。