天使のキス。

「だってぇ…」


沙耶、いろんな男の子と遊んでるじゃん。


それ、事実じゃん。


――なんて、言えるわけでもなく。


あたしはもごもごと口ごもった。


「ま、あたしは。
あたしの事より、あんたの方が心配。
気をつけなさいよ?
悠なんて、まだ中3でしょ?
こんなこともあるんだって事を、忠告したかったの。
あんたの泣き顔見たくないし」


「沙耶。
ありがと。
気持ちは嬉しいけど…。
でも今は――…
沙耶のこれからの話をしようよ」