「もしもし。
あっ、沙耶?
あたし、愛里」


「あ、愛里。
ごめんね?
こんな遅くに」


「ううん。
全然、全然。
あたしこそ、電話遅くなっちゃってごめんね。
――で、どうしたの?」


「実はね。
出来ちゃったんだ」


「え?
何が?」


「何がって…。
決まってるじゃん。
赤ちゃんに」


…はい?


「えーと…。
沙耶、話が見えないんだけど。
何の赤ちゃん?」


「ばかっ…。
あたしの赤ちゃんに決まってるでしょ」