天使のキス。

「ねぇ、健ちゃん」


「ん?」


ちょっと眠そうな、トロンとした目の健ちゃんに聞いてみる。


「健ちゃんは。
なんでさくら寺のこと知ってたの?」


あたし、ガイドブックを隅から隅まで読んだつもりだったけど、全然記憶にないよ?


もしかして、ものすごく小さい記事だったんじゃないの?


それなのに――…


「どうしてそこに行きたいの?
何か、叶えてほしい事でもあるの?」


だって、そうとしか考えられない。