天使のキス。

昨日の夜、健ちゃんからなぜか悠のケータイ電話に電話があった。


その時あたしがいたのは、悠のベットの上。


あたしの額にさらさらこぼれ落ちる悠の髪。


吸い込まれそうな瞳。


優しくて甘いキスの嵐。


あたしの服のすそから悠の手が入りかけて、あたしがギュッと目を閉じた瞬間――…


タイミングよくなのか、悪くなのか。


机の上で、悠のケータイが鳴り響いた。


「へぇ…。
愛里ちゃん、わかりやすい♪
タイミングばっちり、邪魔しちゃった?」


そう言って健ちゃんはあたしの鼻をピンをはじいた。