天使のキス。

――はぁ?
なんだって?


佐久間健の申し出に、隼人と昴を押さえる力が抜ける。


――おまえさ、何考えているんだよ?


「え―?
何?
ボクたちに頼みって」


興味深々の隼人、腕組みをして値踏みするような瞳を佐久間健に向ける昴に、アイツは言った。


「俺さ―…。
同じ高校、同じクラスの、工藤愛里って子が好きなんだよね。
でも――…」


そこで言葉を区切って2人の注意を惹き付け――…