『愛里さ。 その髪型似合わねぇから、やめれば? それに、その香水。 マジくせぇから、学校行く前にシャワー浴びた方がいいと思うぜ? これ、忠告』 『―どけよ』 思ってもいない言葉で愛里を傷つけたあの日から、愛里の帰りが毎日遅い。 『友達とご飯食べて帰るね♪』 『今日、お稽古の日なんだ♪』 『美容院に寄ってくる♪』 返事を返すこともしないオレに、律儀に愛里からのメールが今日も届く。