天使のキス。

イライラを静めるために、枕にボスボスとこぶしをあてて、源じいの残像のような姿と声にその枕を投げつけた。



『悠。
おまえはもっと――…
感情の引き出しを持った方がいい』



『この子の家に世話になりなさい。
ワシのお気に入りのいい子じゃ。
きっとおまえの感情の引き出しを増やしてくれる』


ふざけんな。
大きなお世話だ。


今までだって、うまくやってきたんだ。


オレは、こんなわけのわからないイライラなんかに振り回されたくない。


オレには、感情の引き出しなんかいらない。


オレは心に波風なんか、立てたくねぇんだよ!