天使のキス。

4月の夜は冷えるというのに、鼻の頭にうっすらと汗をかいている。


あ―…
可愛いね、その嘘。


緩む頬。


ついつい、いじめたくなってしまうだろ?


「あー…、愛里。
わかった。
部屋を間違えたフリして、オレに抱かれにきたんだろ?
素直じゃないね」


華奢な肩を引き寄せて、胸の中に抱き締めて、


「そんな嘘をつかなくても、抱いてやるのに。
素直に、オレのキスが忘れられないって言ったほうが可愛いぜ?」


愛里の唇めがけて、顔を斜めに傾けた。