天使のキス。

オレは、オレの部屋として与えられた6畳ほどの部屋を見渡した。


見渡すといっても、置いてあるのは、ベッドと机、それくらい。


もちろん、仮住まいなのだから、必要なもの以外は置いていない。


机の引き出しが、微妙にわずか開いている。


その上、そろそろ捨てないと…


そう思いながら面倒くさく、ゴミ袋に入れてベッドの下に押し込んでおいた未開封のラブレターの山が崩れ、少し飛び出していた。


わかりやすすぎる、侵入された形跡。


それでもオレは、何も気づかぬフリをして、ベッドに横になり、すぐに寝息をたてた。