天使のキス。

悠、嫌な顔して――…って、あれ?
してない。


予想に反して無表情の悠に、


「俺、佐久間健。
愛里と同じ菊川学園高等科1年。
“彼氏”じゃなくて、“友達”です。
だから一緒に、お茶でもどう?」


健ちゃんは、わざと棘のある言い方でそう言って、悠に向かって右手を差し出した。


それに対して悠は、何か答えるでもなく。
自己紹介するわけでもなく。


ましてや差し出された手を握るでもなく、ただ無表情に健ちゃんの顔を見返していた。