天使のキス。

悠と顔を合わせたいような合わせたくないような、複雑な気持ちでドアのロックをはずす。


「お帰り…」


とりあえず平常心を守って口にしたその言葉に、鋭くかぶせるように悠が口を開く。


「愛里…」


でもそれは、その言葉だけで。


鼻をひくつかせた悠は、すぐにあたしの足元を見下ろし、そこに健ちゃんの靴を見つけると、


「お客さん?」


すぐに笑顔を取り繕って、そう聞いた。