天使のキス。




「そういえばさ?
高等部でも親睦旅行あるの?」


タクと並んで歩いていた健ちゃんが、あたしと沙耶を振り返る。


「親睦旅行?」


あたしの隣で沙耶が首をかしげて、


「あ―…
あったねぇ、中等部の1年のとき」


あたしがぽんっと手をげんこつで打つ。


「懐かしいな。
あれで健ちゃんと仲よくなったんだよねぇ」