天使のキス。

「健ちゃんは、よしとくよ」


中等部からの友達の健ちゃんを振り返って、両手を広げた満面の笑みの健ちゃんを確認してから、あたしは首を横に振りながらそう告げた。


「えぇ?
なんでさ?」


…なんでさ?…って。


「ん―…」


モデルさんのようにひょろっと高い背と、ちゃんと食べてるの?ってくらい細い体を上から下までじろじろと見て。


「ひょろすぎる」


目を細めて、腕組みをして、健ちゃんにそう答えるのは、あたしだけかもしれない。


だって、健ちゃんは――…