天使のキス。

入学式が終わって、各自の教室に散らばる生徒達。


その中に、ひときわ大きな体を見つけて、あたしは嬉しくなって、その体に飛びついた。


「タクぅ!!」


あ―…
嬉しいよ、タク。


柔道をやっているタクの大きな体に、頬をすりすりすりすり、こすりつける。


この列にいたってことは、きっと同じクラスってことだよね?


そうあってほしい!


そして、沙耶と沙耶が持ってくる数々の修羅場ってやつからあたしを守って!!


そんな打算もあって、お兄さん…いや、お父さんみたいなタクにすりすり甘える。