天使のキス。

「だってさ?
外部受験って、難しいんでしょ?
エスカレーターのあたし達と違って」


「ん―…
まぁ…
そうかもね」


ひそひそと、小さな声でそう返すと、


「あたし☆
今度は頭のいい彼氏が欲しいんだよなぁ」


沙耶は、入学式の真っ最中だってのに、まわりの空気を無視したはしゃぎ声をあげた。


あぁ…
沙耶…


もう、あたしの手には負えませんっ!!!