それより気になるのは玲が迎えに来るって言った日がいつなのか、だ。



さぁね。って、一番嫌な言葉で返しやがって。


やっぱり玲はバカ野郎だ。




って、どっかでエスパーしてるかもしれないから止めとこう。



フウッと息を吐いて考えてもキリがないなぁ。と首を振り、大きく体全体を伸ばす。




「さーて、ご飯でも作るかっ!」




そして、気合いを入れて頬を両手で叩いた。




でもそこでふと、思い出す。




玲が窓を閉める直前に言った言葉を。




「時が来たら迎えに来ます、か…。」




上等じゃん。それまで私は楽しい思い出を作って悔いが残らないように過ごす。



いつ、迎えが来てもぃいように。




空を見上げる。


すると、もう日が落ちて夕方になっていた。

夕日が綺麗だ。




「真っ赤だなぁ…。」




眩しい夕日を見つめながらポツリ、呟く。


立ち止まっては居られない。


時間は、限られている。




私は出来るだけの事をしよう。




「よしっ。」




小さく、でも強く呟いて歩く。



私は、立ち止まらない。





――この日の夕日は真っ赤に、とても綺麗に輝いていた。