「うん。だから…お願い。」
相変わらず司は私を睨むようにして見てくる。
体の震えは、もう止んだ。
正面から抱きついてきていた学はいつの間にか私の後ろに立っていて。
でも私の左手をきつく、握ってくれている。
体が震えないのはきっと、この手のおかげ。
きつく握り締めてくれている学の手を、私もギュッと握り締める。
「まぁぃぃだろう。せいぜい楽しむがぃぃ。その、限られた時間を。」
司はそう言いながらフッと静かに笑みを浮かべ、私に近付いてくる。
学の手にグッと力が込められたのが分かった。
カツカツと司が静かな空間に音を立てながら私に近付いてくる。
徐々に私と司の距離が縮まる。
「でもな、稚春。これだけは覚えておけ。」
ピタリ、司が私の目の前で止まった。
「お前は俺のものだ。」
「稚春!」
学の焦った声が聞こえる中、司に腕を引っ張られ、グラッと視界が揺れた。
怖くて反射的に目を瞑る。
そして次の瞬間、唇に何か暖かいものが触れた。

