赤い狼 参






「体、大丈夫…?」




真っ黒な学の横髪をそっと触る。


すると学が私に優しく笑った。




「馬鹿。お前は自分の心配だけしてればぃぃんだよ。」



「あたっ!」




学がコツンッと私の額を弾く。


それによって私の頭が少しだけ揺れた。




「あたっ!って…。反応おかしくね?」



「学が悪いんでしょ!塚、って、あっ!!」




学に文句を言っている間に違う事を思い出して大きな声を出すと、学が


ちったぁ大人しく喋れねぇのか。


と顔を顰めた。



いやいや、私は十分大人しいですよ。少なくとも、龍よりはね。



って、そんな事はどうでもよくて!




「司!私はここには住まないからね!」




ビシッ!と司に人差し指を向けると、司が


ハッ。


と馬鹿にしたように笑った。




「俺に逆らうとでも?」



「その時が来たらここに住むし、何でも言う事聞いてやるわよ。


でも今はまだやり残した事がいっぱいある。それに、それまでの間に私は「アイツ等との思い出を作りたい?」」




司がダークブラウンの瞳を私に向ける。


真っ直ぐ。私だけを見て。