赤い狼 参






「住めない。」




さっきより少し大きく、強めに言い放つ。



司の鋭い目が私を睨む。


もの凄い殺気を私に向けて。

何でそんなに怒ってるのかは私には分からない。




「また痛い思いをしたくなかったら俺の言うことを聞け。」




じゃねぇと今度は平手打ちじゃ済まねぇぞ、と私を暗い瞳で睨む司。


これは脅しじゃない。

きっと司なら本当に酷い事でも何でも、する。


司なら、監禁や暴力もそれ以上も。やりかねない。



そう直感的に感じると、体が震えた。逃げたくなった。



でも私は司の目を相変わらず真っ直ぐ見つめる。




「ぃぃよ、何されてもぃぃ。でも住むのは無理。これだけは譲れない。私には、時間がないの。」




本当はここから逃げ出したいぐらい、怖い。でも時間がない。


私には一分、一秒、"今"が大事。無駄にしちゃ駄目なんだ。




そう思いながらキッと司を睨むと、司は面白いおもちゃを見付けた子供みたいな笑みを見せた。



決して、綺麗ではなかったけれど。