「顔赤いぞ?俺に見とれたか?」



「あ、そういえば何で此所に来たの?」



「見事にスルーしたな。」




私の頬をスルスルと撫でる学にお構いなしに

首を傾けながら質問すると、学はあからさまに不機嫌な顔をした。




「だって思った事はすぐ言わないと忘れるから。」



「…そういえば稚春はそういう奴だったよな。


ま、此所じゃあ何だからさ、乗れよ。」




背の関係上、学を覗き込む事になってしまう私に、学はヘルメットを渡して来た。



そして学は慣れた様子で後ろに停めてあったバイクへと股がる。





…ん?





「今、昼休みだけど…。」



「知ってる。」




ヘルメットを持って固まる私を見て、学は前髪を鬱陶しそうに掻き上げる。




「昼休み終わったらまた授業があるんだけど…。」



「んなもんサボれ。サボタージュだ、サボタージュ。」



「マジすか。」