「敬語は止めろ。タメ語でぃぃ。それと、青木くんじゃなくて学って呼べ。」




いきなりの出来事に混乱する私の耳に、青木くんがボソッと呟く。



「が…く?」



「あぁ、"学ぶ"って書いて、"学"だ。」




そう言って体を離した学。


その顔はとても整っている。



目が切れ長で一重なんだ。

それに、目が茶色い。



あ、髪の毛が光に当たっても黒い。



香と実から不良軍団って聞いてたから髪の毛の色とか派手かと思ってたのに、全然違う。



一度も染めてない様子の学の髪の毛に触れたくなって、学の頭を撫でた。




「何で俺は撫でられてるんだ?」



「あ。」




しまった。つい…



あわあわと慌てる私を見て、学がブッと噴く。




「お前、慌てすぎ。」




そんな事言われたってしょうがない。


だって、眉間に皺を入れながら言うんだもん。



恥ずかしいと思いながらも学を見ると、学はフワッと笑った。




ドキリ、胸が鳴った。