そうだった。忘れてた。




ハッと窓の外を見る。



すると




――パチッ――




目が合ってしまった。




そのまま、青木くんという人は私に手を両手で大きく振ってくる。



その行動に私ではなく、



「キャー!!」



「ヤバ~い!」




実と香が反応する。




「うるっさ。」




両耳を人差し指で押さえる。



鼓膜破れるっつーの!




「どうしたの?二人共ー。」




耳を塞いで目を細めていると、クラスの女子の声が聞こえた。



そこで、ハッとする。




このままだと注目が集まって青木くんの所に行かれなくなっちゃう!



行きたくない。でも、行かなければ絶対にずっと待っているだろう。



何故か、そんな予感がする。




タラリ、汗が垂れる前に教室から飛び出て、校門まで走る。




「私は普通に穏やかに過ごしたいのにー!」



「叫ばない!走るな!」




先生が私を注意する。



でも、今はそれに構っていられる程暇じゃない。




「先生ごめーん。許して!」




後ろに居る筈の先生に叫ぶ。