「私…さっ、」
「うん。」
「悔しっ、かったんだ。」
「うん。」
相槌をうつ香の声を聞きながら、滲む空を見つめる。
「私、皆に気を使われている事に気付かなくてっ。」
「うん。」
「皆、嘘付いてまで…私に隠していた事があった。
嘘が一番嫌いって、この前銀と奏が言ってたのに。」
「…。」
「でも、一番悔しいのはね。」
「…。」
実が私の手をギュッと握る。
それに応えるように私も実の手を握りしめる。
香はそんな私達をジッと見つめていて。
「隠し事をされたって事が、私だけ仲間外れだって、言われたみたいで悔しくて……「悲しかった?」」
え?と声がした方を見る。
すると今までジッと私を見ていた香が真剣な表情をしていた。
「稚春、それ"悔しい"じゃなくて"悲しい"って言うんだよ。」
「"悲しい"…?」
香が私の目を見つめる。
私の瞳が、グラグラと揺れる。
「うん。稚春、一人だけ取り残されたように感じて、悲しかったんでしょ?」
香の声が、静かに脳に響く。

