「ふうん。」
実が空を見上げる。
その横顔を私はジーと見つめる。
「稚春はさ、ぃぃんじゃないの。」
「え?」
「そのままで、ぃぃんじゃないの。」
実がゆっくりと、穏やかな声で空に言い放つ。
その声は、何処か心地ぃぃ。
「そうかな…?」
自信なさげにポツリ、そう呟くと香が
そうだよ~。
といつも通りの声のトーンで返事をしてくる。
「私はそのままの稚春が好きだよ~。
無理せず、いつもの調子で稚春は稚春らしく
《SINE》の皆と過ごせばぃぃんじゃないのかなぁ。」
「っ、」
なんて嬉しい事を言ってくれるんだろう。
何も言わず香を見る。
すると、香はニコッと笑った。
「多分、《SINE》の皆もそう思ってるよ。」
ポロリ。
涙が一つ、また一つ、と。
床に落ちる。
雫が床の色を濃くしていく。

