「稚春、どうしたの?」
泣くのを我慢する為に歯を食いしばっている私を見て、実が目を丸くする。
香は、心配そうに私の顔を覗いていて。
「…いっ、」
「「ん?」」
「悔しいっ。」
聞こえなかった。という風に私の方に耳を近付けてくる実と香に、小さく自分の思いをぶつける。
そんな私を実は
どうしたの、稚春がそんな事言うなんて。
と私の背中を擦る。
香は
ここじゃなんだから。
と私を立たせて教室の出入口へと一緒に歩いてくれた。
「ありがとう…。」
「ぃぃって。」
「だって、友達じゃんねぇ~。」
まだ泣いてはないものの、目の縁に溜まった涙で潤んでる瞳を二人に向けると
今は泣くなよ。ま、稚春は人前では泣かないか。
と実が私の頭をコツンッと小突く。
「うん…、大丈夫。まだ泣かない。」
私はもう泣きそうだ、と思いながらも俯いて歩いていると今度は香が腕を組んできた。
「こうやってれば涙、引っ込む~?」
そう言って私の顔を覗きこんでくる香に、もっと泣きそうになる。

