赤い狼 参






「ん~。なんか、
《VENUS》よりもって程じゃないけど《VENUS》の足元に及ぶって程には登りつめてきてるとは聞いたよ~。」



「そ、それはヤバいね…。」




唇の右端がピクピクと引き攣る。




《SINE》と《VENUS》の皆は大丈夫なんだろうか。



ふと、そんな不安が脳裏を過ったけどよく考えてみれば…




「いや、アイツ等なら大丈夫な気がする。」




不安になる事なんてなかった。




「あ、それとねぇ~。」




また説明をし始めた香に再び視線を向ける。




さっきは聞きたくないとか思ってたけど聞いておいた方がぃぃかもしれない。



よく思えば、《SINE》の皆は私といつも一緒に居る筈なのにそういう話をしている処を一回も見た事がない。



…いや、ある。



私が、聞こうとしてないだけか。




……いや、聞きたくないのかもしれない。




いつもは優しい《SINE》の皆が人を傷付けるなんて事を受け入れたくなくて。