「…本当に言ってるの~?稚春~。」




香はいつもの調子で喋って、いつもの調子で私を見てくる。




「うん。塚、黒澤学園っていうもの自体、知らない。」




真面目な顔してこっちを見てくる実が目の端に見えて、私もつられて真面目な顔になる。




「あ~、そっちからねぇ~。」




私の言葉を聞いた香は、何故か一人で納得しだした。



実は、一人でブツブツと何かを呟いている。




「まぁ、まずは黒澤学園からの説明だねぇ~。」




ニコニコと笑顔で机に頬杖をつく香。



でも私は黒澤学園なんて興味がない為、


え?


という声と共にすっごく面倒臭い。という表情を顔に出してしまった。




「聞く…よねぇ~?」



「はい。聞かせて頂きます。」




でも、香には逆らえない。と、いうかさっきの言い方と顔が怖かった。



何で"聞く"で間を空けるんだ。



そして顔は笑ってるけど、目!!



目が笑ってなかった。




おぉ、怖っ。




ブルブルッと軽く身震いをする。



私の周りは怖い奴等ばっかりだ。