赤い狼 参






優悪がこっちをジーと見ているのを見て、ハッと気が付く。




まさか。




まさかの事態だ。




冷や汗がタラリと私の額に垂れる。



何故、何故こっちに逃げてきてしまったんだ。




酷く自分を嫌になりながら後ろをチラリと見る。




…うん。やっぱり、気のせいではない。




そう確信したと同時に、私は肩をガクリと落とした。




…終わった…。




さらば、私の人生よ。





悲しくなりながらも優悪を見る。



すると優悪はやっぱり私の後ろにある物を見て、その場に立ち止まっていて。




「…ふふっ。」




助からないと思ったら笑いが出てきた。




「ふふふっ、あははは~ヾ(@゜▽゜@)ノ」




何がおかしいかって?



それは絶対に今の優悪に必要な物が、私の後ろにあるから。





…そう、私の後ろにあった物とは…




絶対に部屋を出る時に必要なドアだった。





優悪は私を見ていたのではなく、私の後ろにあるこの部屋にある、唯一のドアだったのだ。