「どちら様…でしょうか…。」




取り敢えず、分からないフリをしてみる。




『お前…馬鹿にしてんのか?』



「ひいっ!」




さっきよりも低くなった声に思わず裏返った声が出てしまった。




「馬鹿になんかしてないです!」



『ほぉ~?』




え。何だ、その疑った感じの声は。




「信じてないでしょ!」



『あぁ。全く。』




ちーん。


はい、今ちょっとダメージ受けたよ。



「で、何の用事なんですか?」



ムカついて少し怒り気味に言ってやった。


そう、わざと。



『あ゙ぁ゙?んで稚春が怒ってんだ。こっちが怒りてぇよ。』



でも、この一言で私は大人しくなってしまうんだ。



「すいませんでした。」




素早く謝った私に、拓磨は


それでぃぃんだ。それで。


と言って鼻で笑ったのが分かった。



……コイツ、性格悪くなってやがる。




あの天使の拓磨は何処にいったのか。


軽く、ショックだ。



『稚春、約束忘れてねぇか?』



「ん?」




約束…?



なんてあったっけ?

塚、約束って何の約束?