赤い狼 参






「かっ、ずひろさん…っ。」



「何だい?」




和宏さんの声は私を宥めるように優しく、穏やかだ。




「すみません…っ。」



「ははっ、ぃぃんだよ。」



「……ぎゅってして下さい…。」



「稚春ちゃんって本当、男にとって毒。」





そう言いながら抱き締めてくれる和宏さんは、温かかった。




フワッと優しく抱き締めて、私の背中を擦る。




「稚春ちゃんは今までいっぱい頑張った。」




その言葉に、心が一気に軽くなった。



「…っ、」



止まりつつあった涙がまた、流れる。



今日初めて逢った和宏さんに私の事が分かる訳がないのに、そう言ってくれたのは和宏さんの長年の経験からだと思う。



私は少なからず、和宏さんの言葉に救われた。




「ふぇ…っ、」





私が泣いている間、和宏さんは私をずっと抱き締めて背中を擦ってくれてた。



涙を我慢する私に


我慢しないで今は思いっきり泣いてぃぃんだ。


って言ってくれた。




そんな和宏さんを…



連とソックリだなって思った。



いや、連が和宏さんに似たんだろうけど。



でも、やっぱり親子だなと思った。