赤い狼 参






「あ、はい。少しだけ…。」




ハハハッと笑いながら連のお父さんを見上げる。



すると連のお父さんは何を思ったのか真剣な表情をして



「俺で良ければいつでも相談に乗るからな。」



と言って頭をポンポン、と軽く叩いた。



その優しさが、嬉しい。



心に染みる――…





そこで、何かが切れた。



多分、今までの緊張の糸や、我慢していたものが限界を迎えたのだと思う。



ポロリ、涙が零れた。





「え、稚春ちゃん?」




連のお父さんが焦った様子で私を見つめてくる。



でも、止められそうにない。



何故だろう。


……きっと、優しくされたからだ。



連のお父さんが


えっ、えぇ…俺のせい?


とアワアワしながら慌てる。




「違…い、ますっ。」



連のお父さんのせいじゃないと伝えようとしても、涙が邪魔して上手く喋れない。



「れ……んのお父さっ、んが優しいからつい…っ。」



「和宏(かずひろ)でぃぃよ。連のお父さんなんて、長いだろう。」




そう言う和宏さんの手は、相変わらず私の頭を一定のリズムで撫でていて、優しい。