赤い狼 参






「…いっ!?」




隼人は物凄く痛かったのだろう。



いつもなら"いってぇ!"と叫ぶのに、今回は叫ばなかった。




あぁ、これで隼人の脳みそは完全に馬鹿になっちゃったね。



可哀想に…。



未だに頭を抱えて踞っている隼人を哀れみの目で見つめる。




あ。でも、キスはなんとか回避できた。



良かった。



フゥ-と大きくため息をつく。



塚、私と一緒に叫んで殴った奴は誰だろ。



辺りを見渡す。



…あ、居た。



拳を握りしめて隼人にまだ文句を言っている黒髪の男。




…連だ。




「あーぁ。押さえ付けてたのによー、逃がしちまった。」




隼人に文句を言っている連を見ながら頭をボリボリと掻く男は少しだけ舌を出して私を見た。



…おい。お前、今何て言った。


押さえ付けてたって…





「助けてよ!」




フゥーとため息を小さくついている目の前に居る男の胸ぐらを掴む。




「いやー、仲良さげだったから。お楽しみは邪魔しちゃいけねぇと思ってな。」




ハハハッと笑いながら手をヒラヒラとさせるムカつく男。



この…




「万年発情期が。」




銀ってば、やっぱりムカつく。