赤い狼 参







「…駄目だろ。そんな事、稚春が嫌がるだけだろ。」



そんな沈黙を破って優悪に少し強い口調で言う優魔。



「でも、調べても何も出てこねぇんだぞ?そんな奴、此所に出入りさせてもぃぃのかよ。


情報がねぇ奴なんて怖いじゃねぇか。裏切る可能性だってあるかもしれねぇんだぞ!?《SINE》もだけどよ。」



確かに。



優悪の言ってる事は分かる。



でもよ、優悪…―――










稚春は、さ…











「裏切らねぇよ。」











……自分でも驚いた。






思わず声に出していた言葉は、自分でもビックリするぐらい、澄んだ声だった。






「稚春は、裏切らねぇ。」






もう一度、この場に居る全員に聞こえるように強く、言い放つ。




ぜってぇ、これだけは譲れねぇ。




「…言いきれるのか?」




俺の目を真っ直ぐ見てくる優悪の目を俺も負けじと見据える。




「あぁ。言いきれる。ぜってぇだ。稚春は、裏切らねぇ。」



ハッキリと、声に出す。




自分にも、言い聞かせるようにして。