私なら出来る?
…何が?
頭に?マークを浮かべながら隼人を見る。
…今はそんな事より隼人が先だ。
手にグッと力を入れて、再び気合いを入れる。
そしてまた、ゆっくりと隼人に近付いていく。
…隼人の目の前に立つ。
でも隼人はずっと下を向いていて、動こうともしない。
何かを否定するかのように。
「隼人?」
現に、私が隼人の名前を呼んでもピクリとも動かないし、反応しない。
「隼人…。」
ゆっくりと隼人の頬に両手を伸ばす。
そして、隼人の顔を両手ですっぽりと包んで名前をもう一度呼ぶ。
「…隼人。」
すると、隼人は俯いていた顔を上げた。
自然と目が合う。
「稚…春?」
虚ろな瞳で私を見る隼人の目には、戸惑いが映っていた。
多分、此所に私が居る事に戸惑っているのだろう。
「うん。稚春…だよ。」
出来るだけ、笑って答える。
「…っ、稚春。俺…っ!助けてやれねぇで…ごめんな。」
「何で?助けてくれたじゃない。
私が気を失う寸前に棗の部屋に入ってきたの、隼人でしょ?嬉しかったよ、隼人。」
隼人は悪くなんて無いのに。
だから、謝らないで。

