赤い狼 参






負けてたまるか。


塚、誰に言ってるの。



私がすんなり諦めると思ってるの。



ふざけんな。



銀も私も、目を一切逸らさずに見つめ続ける。



すると、先に銀が私から視線を逸らした。



「…原因が稚春ちゃんでも?」



ためらいがちに、そう言う銀の顔は心配している表情だった。



…そうか。心配してくれているんだな。



…でも。






「それなら尚更、私が行かなきゃじゃん!」






そう叫んだ瞬間、銀の手の力が一瞬弱まった。





今だ!





銀の一瞬の隙を突いて、私の腕を掴んでいた銀の手を振り払い、茂さんの部屋を走って出る。





私が原因とか…私が傷付くとか知るか!



私は今、したい事はしなくちゃ気が済まないタイプなの!



後から後悔したくないの!





うおりやぁああぁあぁ!



と全速力で廊下を走ると、隼人の部屋に着いた。





はぁはぁ、


と乱れている呼吸を整える為、深く息を吸って吐く。



それを何回か繰り返す。




…よし。




気合いを入れてドアノブを回す。