負けてたまるか。
塚、誰に言ってるの。
私がすんなり諦めると思ってるの。
ふざけんな。
銀も私も、目を一切逸らさずに見つめ続ける。
すると、先に銀が私から視線を逸らした。
「…原因が稚春ちゃんでも?」
ためらいがちに、そう言う銀の顔は心配している表情だった。
…そうか。心配してくれているんだな。
…でも。
「それなら尚更、私が行かなきゃじゃん!」
そう叫んだ瞬間、銀の手の力が一瞬弱まった。
今だ!
銀の一瞬の隙を突いて、私の腕を掴んでいた銀の手を振り払い、茂さんの部屋を走って出る。
私が原因とか…私が傷付くとか知るか!
私は今、したい事はしなくちゃ気が済まないタイプなの!
後から後悔したくないの!
うおりやぁああぁあぁ!
と全速力で廊下を走ると、隼人の部屋に着いた。
はぁはぁ、
と乱れている呼吸を整える為、深く息を吸って吐く。
それを何回か繰り返す。
…よし。
気合いを入れてドアノブを回す。

