「稚春。」
「何。」
「キスしてぇ。」
「うん。って…え!?」
何処の病院に行こうか迷っていたから、正直に言って棗の話を聞いてなかった。
今の…
幻聴!?
何だったんだ!?と焦って棗を見ると、棗はいつになく真剣な眼差しを私に向けていて。
さっき聞こえたのは幻聴じゃなかったんだと分かった。
「誰と?」
棗は誰とキスしたいんだろう。
まさかとは思うが、私ではあるまいな。
塚、さっきしてしまったじゃないか!
NOオォオオォォオォ!!
私の人生での一生の不覚!
っていうかキスとか、もう隼人とか棗とかにもされてるから、不覚なんていっぱいあるんだけどね!
さっきした棗とのキスを思い出してしまったから顔が熱くなった。
…絶対に今、私の顔真っ赤だ。
鏡を見たらきっとゆでダコより真っ赤に違いない。
うんうん。と一人で納得していると
「分かってるんだろ?稚春とキスしたい。」
棗の大きな手が私の顔に伸びてきて、反射的に目を瞑る。

