赤い狼 参






「稚春はどうなの?」



「え?」




突然話をふられたから目を見開いて棗を見る。




「俺に"寂しいの?"って聞いてきたけど、稚春はどうなんだ?」



「?何が言いたいの?」




棗の言っている意味が理解できなくて首を横に傾ける。




「稚春"も"、寂しいんじゃねぇの。」




"も"の処を少しだけ強調して言った棗の言葉に、少し動揺する。



…え?


「私、寂しいの?」



「それ、俺が聞いてるんだけど。」




私の言葉を聞いた棗がフハッと笑う。



だって、自分じゃ分かんないんだもん。



…自分が"寂しい"かどうかなんて、今までがずっと寂しかったから分からない。



今までずっと、寂し過ぎて感覚が麻痺してきたのかもしれない。




だから…





「私、棗から見て…寂しそう?」





私じゃなくて、私の周りに居る人に聞いた方が分かると思う。






「うん…。」






俯いていた顔を返事がした方に上げると、悲しそうな…でも、どことなく嬉しそうな表情をした棗の顔が目に入った。