「お前…っ」
竜也がいるだろ?
そう言おうとした瞬間、チャイムが鳴り響いた。
「席戻れ~」
担任が声をかけ、授業は終わりに。
休み時間には沙彩は何もなかったかのように莉子と話している。
……俺は。
コクハクされたのかぁ?
彼氏持ちの女が、何、告白なんてしてんだよ!?
俺の恋を邪魔しないでよぉ…。
俺は机に体をダランと突っ伏す。
邪魔すんなや!
もう!!
「おい。英斗。どうしたんだよ?」
直輝の声が聞こえた。
「んぅ~…」
「は?なに?てか、何コレ。何て書いてあんの?」
はっと思いだし、体を勢いよく起こすと…
思った通りあの落書きを直輝が読んできた。
「読むんじゃねーー!!」
そう叫びながら、俺は消しゴムを取り出しガツガツと消した。
「コレは見なかったことに。ね?直輝クン」
俺は猫撫で声で頼み込む。

