戻ってきたときは、本当にびっくりした。



あんなに不良化してたんだから。


昔っから威勢のいいやつだったけど、ここまでなるとは予想もしていなかった。






「そんなに怒っちゃって~。あ、美久と一緒に修学旅行行けないからだろ?」



竜也はひらめいたように、ソファに立ち上がった。




「うるせーな。ちげぇし」




まったくの…図星。


あ~カッコ悪。





「もぉ、素直じゃないね~」



「だから!キモいんだよ!!」




だんだんとイラついてきて、声に怒りが混ざる。



別にこいつが悪いっていうわけでもないのに。





「てか、手出さねーよ」


「変なことすんなよ?」



「わーってるって」



またソファに座り直し、リモコンをいじりだした。


ころころとチャンネルを変えドラマの再放送で止まった。



こいつの“わかってる”は当てにならないからな…


よけい心配だ。



早く美久を俺だけのものにすればいいのに…


“俺の女に手出すな”


って言えるのに…