せっかくの二人っきり。 普通の私なら、喜んでいるんだろう。 けど、今は、素直に喜べない。 この沈黙が。 悲しくて、苦しくて。 悔しい。 「伶と、付き合ってんの?」 いきなり航から発された言葉を理解するのに、私にはしばらく時間が掛かった。 な、なんだそれ。 付き合ってなんていないのに。 航、なんか怒ってる。 「……付き合って欲しいの?」