うしろ姿




「えっと、さっきのは、その、言葉のあや?うん。」

「華耶、知ってた?」

「な、に?」

「華耶って動揺すると顔に出る。」


嘘っそんなに顔に出てたんだ。

そんなことより、こんな時に不謹慎だけど、私の仕草を見ていてくれたことが物凄く嬉しい。


「誰に盗られた?」

「…落としただけだよっ。」

「言えよ。」


鋭い航の言葉。怒ってるんだ。

でも、盗まれてること知ってたの…?