「なんか最近財布よくかえてる?」
航くんの鋭いご指摘。
動揺しないように、何事もないように。
「そ、そうかな…?」
「意外と飽きっぽいんだね。」
やっぱり鈍感。
そんなところも好きだから許す…!
「航。結局、コンビニ行くの?」
「今日さ、部費払う日でしょ?」
「え。嘘!!」
部費は五千円ぐらい。
今日、部費払う日だったんだ…。
すっかり忘れてた。
「必要最低限しかもってないの?」
「うん。だって盗られ…」
私は慌てて口を塞いだ。
やばい…口が滑った。
「盗られたんだ?」
「盗られてない!!」
私の大きくなる声に、航の顔は歪んだ。

