それから私は一度も
悠平と連絡をとらなかった。



携帯の着信履歴に悠平の名前が連なる。

声が聞きたい。
顔が見たい。

そう思うのに、
何故か悠平を許す気にはなれない。




そのうちに悠平からの連絡は途絶え、
私たちの距離は離れていった。






そして、
いよいよ、卒業式――。




「ねぇ、彩海顔色悪いよ??」


友達の声に我にかえる。


「どうしたの??最近、変じゃない??」


「ううん、大丈夫だよ!!」



空元気で答えるが、
表情は固いまま。

それは自分でも分かる。


けれど、悠平と気まずいままの私は
何も答えをださない状態で
卒業式まで来てしまったことを後悔していた。